鹿児島市視察-かごしま環境未来館-
鹿児島市「かごしま環境未来館」を視察
環境を「知る」から「行動する」へ 市民との協働でつくる環境学習の拠点
令和8年3月26日、鹿児島市の「かごしま環境未来館」を視察しました。
今回の視察で特に印象に残ったのは、ここが単に「環境について展示する施設」ではなかったことです。
環境について知る。見て、触れて、学ぶ。自分たちの暮らしとのつながりを考える。そして実際の行動へつなげていく。
さらに、それを行政だけで行うのではなく、市民、市民団体、事業者などと一緒につくっている。
「市民との協働」が施設運営の中にしっかりと組み込まれていることに、大きな学びがありました。
■かごしま環境未来館とは
かごしま環境未来館は、鹿児島市における環境学習や環境保全活動の拠点となる施設です。
環境問題というと、地球温暖化、ゼロカーボン、資源循環、ごみ問題、自然環境、生物多様性など、とても大きなテーマとして語られることが多くあります。
しかし、私たち市民の立場から考えると、「地球のために」と言われても、それが毎日の暮らしとどうつながっているのかが分からなければ、なかなか行動には結びつきません。
電気をどう使うのか。
何を買うのか。
ごみをどう分けるのか。
食べ物を無駄にしないこと。
移動するときにどんな手段を選ぶのか。
一つひとつは小さな行動ですが、環境問題はこうした私たちの日常生活とつながっています。
環境未来館では、難しい環境問題を「自分とは関係のない大きな話」にせず、暮らしの中から考えられるように、展示や体験を通して分かりやすく伝えていました。
■建物そのものが環境を考える教材
施設に入る前から、この建物には特徴があります。
緑を取り入れた建物のつくりや、自然の光、エネルギーを意識した設備など、環境に配慮した考え方が施設そのものに取り入れられています。
環境について学ぶ施設だからこそ、説明パネルだけで「環境にやさしくしましょう」と伝えるのではなく、建物そのものでも示している。
これはとても分かりやすいと思いました。
特に子どもたちにとっては、難しい数字を覚えるよりも、実際に施設の中を歩きながら、「なぜここはこうなっているんだろう」「どうしてこの設備があるんだろう」と考えることが、環境への関心を持つきっかけになります。
環境教育は、知識を教えるだけではなく、まず興味を持ってもらうことが大切です。
その入口が施設の中にいくつもつくられていました。
■世界の環境問題から、自分たちの暮らしへ
館内には、地球環境や気候変動、資源、ごみ、自然など、さまざまなテーマの展示があります。
写真や映像、体験できる展示などを通して、子どもから大人まで分かりやすく学べるよう工夫されていました。
私が大切だと感じたのは、「問題を知って終わり」ではないことです。
世界で何が起きているのかを知る。
なぜ起きているのかを考える。
それが日本や鹿児島の暮らしとどうつながっているのかを考える。
そして最後には、「では、自分たちに何ができるのか」というところまでつなげていく。
環境問題について行政が説明すると、どうしても「CO2を何%削減する」「何年度までに目標を達成する」といった数字が中心になりがちです。
もちろん数値目標は必要です。
しかし、市民一人ひとりに行動してもらうためには、その前に「なぜ必要なのか」が伝わらなければなりません。
環境未来館は、その部分を担う場所なのだと感じました。
■市民との協働で成り立っている施設
今回の視察で、特に注目したのが「市民との協働」です。
行政が施設を整備し、行政が講座を企画し、市民はそこへ参加する。
それだけではありません。
環境に関する活動をしている市民団体やNPO、事業者など、地域にあるさまざまな力とつながりながら、環境学習や活動を広げています。
地域には、行政職員以上に特定の分野に詳しい方もいます。
長年、自然環境を守る活動を続けている方。
ごみ問題に取り組んでいる方。
環境教育を行っている方。
地域のことを誰よりもよく知っている方。
そうした人たちを「行政の事業に参加してもらう人」として見るのではなく、一緒に取り組む仲間としてつないでいく。
私は、これが本来の市民協働なのだと思います。
行政が何でも自分たちで抱えるのではなく、場所をつくり、情報を提供し、人と人をつなぐ。
市民が持っている経験や知識を活かし、その活動がさらに広がるよう行政が支える。
そこに、この施設の大きな意味があると感じました。
■「参加する人」から「担う人」へ
環境未来館では、市民が環境について学ぶだけでなく、その後、活動を支える側に回る仕組みもあります。
これは非常に大切なことだと思います。
講座を受けて終わり。
イベントに参加して終わり。
それだけでは、なかなか地域全体の動きにはなりません。
最初は参加者だった人が、環境について興味を持つ。
もっと知りたいと思う。
そして次には、自分も誰かに伝えてみようと思う。
その人がまた別の人とつながっていく。
こうして人の輪が広がっていけば、環境への取り組みは行政の事業ではなく、「地域の活動」になっていきます。
施設が市民に何を提供するかだけでなく、そこで学んだ市民が、その後どんな役割を担えるのか。
公共施設を考えるうえで、とても重要な視点だと感じました。
■子どもたちへの環境教育
館内には、子どもたちが環境について考えるための工夫も多くありました。
子どもたちへの環境教育というと、私はとても大切な意味があると思っています。
子どもが学校や施設で学んだことは、その子だけで終わらないからです。
「今日、こんなことを知ったよ」
「これは分けて捨てるんだよ」
「電気を消した方がいいんだって」
子どもの一言が家庭での会話になります。
そして、お父さん、お母さん、兄弟、さらには祖父母へと広がっていくことがあります。
私はこれまでも、子どもを真ん中に考えることは、結果としてすべての世代につながっていくと考えてきました。
環境についても同じです。
子どもたちが環境を学ぶことは、将来のためだけではありません。
今の家庭や地域を変えていく力にもなります。
だからこそ、学校だけに環境教育を任せるのではなく、地域や専門家、行政、こうした環境学習施設がつながることには大きな意味があります。
■ゼロカーボンも行政だけでは実現できない
鹿児島市は2050年までの二酸化炭素排出量実質ゼロを目指しています。
しかし、ゼロカーボンは行政だけでは実現できません。
市役所がどれだけ省エネに取り組んでも、市全体から見れば一部分です。
住宅、店舗、事業所、車、公共交通、ごみ、食生活など、市民生活そのものが環境と結びついています。
だからこそ、行政が目標を決めて「皆さん協力してください」と呼びかけるだけではなく、市民がなぜ必要なのかを理解し、自分で考え、行動できる環境をつくることが必要です。
そのための「学び」と「行動」をつなぐ場所として、環境未来館の役割は大きいと感じました。
■茅ヶ崎で考えたいこと
今回の視察を通じて、私が茅ヶ崎で考えたいのは、「同じ施設をつくる」ということではありません。
大切なのは建物ではなく、仕組みだと思っています。
すでに茅ヶ崎にも、環境、海、自然、ごみ、農業、防災など、さまざまな分野で活動している市民や団体があります。
それぞれが素晴らしい活動をしていても、お互いの活動を知らなかったり、行政の担当部署とのつながりが十分でなかったりすることもあります。
行政が持っている情報。
市民が持っている経験。
事業者が持っている技術。
学校が持っている教育の場。
これらをもっとつなぐことができれば、新しい事業を行政だけで一からつくらなくても、地域にはすでに多くの力があります。
環境行政にも、市民の力を活かす視点がもっと必要だと思います。
■「施設をつくる」より「人が動く仕組みをつくる」
今回の視察で改めて感じたのは、市民協働とは、行政の仕事を市民にお願いすることではないということです。
行政には行政の役割があります。
市民には市民だからできることがあります。
事業者には専門性や技術があります。
それぞれの力をつなげる。
そのための場所をつくる。
動き出した人を支える。
そして、「参加する人」を少しずつ「担う人」へとつなげていく。
こうした仕組みがあれば、行政だけで行う事業よりも、はるかに大きな広がりを生むことができます。
環境について「知ってもらう」で終わらない。
「参加してもらう」でも終わらない。
その先の「一緒に行動する」までどうつなげていくのか。
かごしま環境未来館は、その考え方を具体的な形として見ることのできる施設でした。
環境政策だけではなく、市政全体にも通じる学びだったと思います。
今回の視察で学んだ市民協働のあり方や、環境を「学び」から「行動」へつなげる仕組みを、今後の茅ヶ崎での活動や政策提案にも活かしていきたいと思います。
視察を受け入れ、丁寧にご説明いただいた鹿児島市、かごしま環境未来館の皆さまに心より感謝申し上げます。
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茅ヶ崎のまちのこと、市議会のこと、みなさんの暮らしの中でのお気づきのことなど、
何かありましたらお気軽にお問い合わせください。
内容をしっかりと拝見し、お返事させていただきます。
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