第十回 「つなぐ」だけで終わらせない市役所へ
「つなぐ」だけで終わらせない市役所へ。
― 誰が最後まで課題を追うのか。―
市民の皆さんから相談を受け、担当部署につなぐ。必要に応じて、庁内の別の部署とも連携する。
こうした対応は、現在の市役所でも行われています。
職員が働いていない、対応していないということを言いたいのではありません。
それでも、日々、市民の皆さんとお話ししていると、
「どこに相談したらいいか分からない」
「別の部署を案内された」
「話は聞いてもらったけれど、その後どうなったのか分からない」
という声をいただくことがあります。
私は、今ある仕組みをもう一歩進めたいと考えています。
「つないだ」で終わらず、その後を見る
暮らしの中で起きる困りごとは、一つの部署だけできれいに分けられるものばかりではありません。
例えば、高齢者から「外出するのが大変になった」という相談があったとします。
一見すると交通の問題に見えます。
しかし、詳しく話を聞けば、病院への通院、日々の買い物、健康状態、地域とのつながり、孤立の問題など、いくつもの課題が重なっているかもしれません。
通学路の安全についても同じです。
道路の問題だけではなく、学校、警察、地域など、それぞれの立場から考えなければ解決できないことがあります。
行政は担当ごとに仕事が分かれています。
それは必要なことです。
しかし、市民の暮らしは部署ごとに分かれているわけではありません。
だから私は、「どの部署につないだか」ではなく、「その課題がその後どうなったのか」まで見る市役所にしたいと思っています。
声を受け止めてから、結果を返すまで
私が強くしたいのは、次の流れです。
① 声を受け止める
→ ② 必要な部署・関係者につなぐ
→ ③ 現場を確認する
→ ④ できる方法を考える
→ ⑤ 必要なら予算や制度につなげる
→ ⑥ 実行する
→ ⑦ 結果を市民に返す
相談を受け付けて担当につないだところで、市民から見れば問題が解決したわけではありません。
その後、どう検討されたのか。
できるのか、できないのか。
できないのであれば、その理由は何なのか。
すぐにはできなくても、ほかの方法はないのか。
そして、次に何をするのか。
そこまで伝わって初めて、市民は「自分の声を受け止めてもらえた」と感じられるのではないでしょうか。
できないことも、きちんと伝える
もちろん、市役所ですべてを解決できるわけではありません。
予算には限りがあります。
法律や制度上、市では対応できないこともあります。
すぐには実現できず、時間が必要なこともあります。
私は、何でも行政がやればいいとは考えていません。過剰な市民サービスは、将来にわたって続けることができないからです。
だからこそ大切なのは、できないことを曖昧にするのではなく、
「どこまでできたのか」「なぜできないのか」「ほかに方法はないのか」「次に何をするのか」
を、きちんと市民に伝えることです。
制度では対応できなくても、ひと言声をかけることはできる。
すぐに解決できなくても、一緒に方法を考えることはできる。
私は、そうした寄り添う姿勢も行政の大切な役割だと思っています。
誰が最後まで追うのか
私が変えたいのは、今ある市役所の仕事を否定することではありません。
今も行われている連携や市民対応を、もっと市民に届くところまで強くすることです。
「担当につなぎました」で終わらせない。
「検討します」で止めない。
相談を受けた後、その課題がどうなったのかを追い、必要な部署や地域、関係機関とつなぎ、結果を市民に返していく。
一人の相談から、同じことで困っている多くの人の課題が見つかることもあります。
その声を制度や予算につなげることで、一人の困りごとから、まち全体の暮らしを変えることもできるはずです。
声を聞くことがゴールではありません。
声から課題を見つけ、方法を考え、必要なものには予算をつけ、実行し、その結果を市民に返す。
私は、そんな市役所を目指します。
「つなぐ」だけで終わらせない。
誰が最後まで追うのかを明確にする。
声が届き、暮らしが動く茅ヶ崎へ。
声を、予算と実行へ。
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